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自作の短歌を公開します。

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品 <目次>

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品
<目次 / Inhaltverzeichnis>

300 プロローグ
301 さくら咲く、さくら散る
302 ひとを想ふ
303 ドイツ
304 家族
305 人生

306 生活・情景・風景
307 歌を詠む
308 月影・星影
309 水・水面
310 四季 春

311 四季 夏
312 四季 秋
313 四季 冬
314 異界・魔界・霊界
315 三味線を弾く

316 長崎県五島列島 奈留島(なるしま)
317 三岸節子記念美術館 短歌ポスト
318 日本酒を嗜む
319 幻想の世界
320 参考資料

 

 

 

313 短歌集なごみ753 ≪四季 冬≫ 冬

313 短歌集なごみ753 ブログ短歌作品 6首

                雪の積もる裏庭
短歌集なごみ753 ブログ短歌作品
313 <四季 冬/ Der Winter von den vier Jahreszeiten>

1826-0412 060218
南天は降り積もる雪振り払ひ バネのごとくに跳ね返る枝


1859-0501

ぬくぬくと温かくして潜り込む こたつはいつも猫の管理下
1774-0410
もみぢ葉をくれなゐに染める秋を経て 白き冬の訪ふためらひもせで


1456-0412
透き通る青きみぞれの降る朝は 冷たさ沁みる心の内まで
0800-0201
透き通る雪の青さが目に沁みる 冷たき朝に君失せたまふ


0019-3002
雪が舞う手先かじかむ冬の朝 ひたすら思う春遠からじ

裏庭になる甘夏みかん

312 短歌集なごみ753 ≪四季 秋≫ 秋 

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品

赤いもみぢ 葉/ Ein roter Ahornbaum

312  短歌集なごみ753 <四季 秋 /Der Herbst von den vier Jahreszeiten>

2163-0511 060119
住むひとの絶えて久しき家の庭 咲き乱れるはキバナコスモス

1767-0410 蒼原
一片の枯れ葉落つなりひらひらと 裏と表に秋を滲ませ
1764-0410 真澄短歌会 

うらおもて秋を偲ばせ一片の 枯れ葉散りゆく秋の夕暮れ


1754-0409
真夜中に吹き込む風の心地よさ涼しさ 身に沁む秋が来にけり
1753-0406
くれなゐも染まる深山は秋盛り冬は 訪ふためらひもせで


1433-0312 蒼原

参道に散りて広がるいてふの葉 不意に舞ひ込む赤きもみぢ葉
1405-0311
もみぢ葉の色の極みを見せつけて 径に広がる錦の絨毯


1038-0218
秋深く日差し短くなりぬれば 夕餉少しづつ早くなりゆく
0890-0104
秋の夜の月影宿る畳みの間 部屋にたゆたふうつろな気分


0841-0202
ふる里の寺の晩鐘音絶えて 久しくなりぬ秋の夕暮れ
0738-0111
秋深し木の葉色づき地に落ちぬ 季節の移ろひ葉に滲ませて


0273-3104
奈留島に育ちしつわぶき庭に咲く 潮の音聞けず寂しかるべし
0221-3009 朝日新聞東海歌壇
やんわりと秋の日差しに包まれて 体ほかほか心ほのぼの

311 短歌集なごみ753 <四季 夏> 夏

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品 12首 

             成熟する前のトマト(ナス科)

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品 

311 <四季 夏 / Der Sommer von den Vierjahreszeiten>


1245-0306
透き通る朝の静寂(しじま)に畑に立ち 育つ野菜の生気吸い込む
1220-0305
初生りのとまと捥(も)ぎ取りかぶりつく 初夏突っ走る喉の奥まで

1192-0304
初生りの赤きとまとは初夏の味 じわつと広がる酸味爽やか
0925-0205
青々と繁る水田を駆け抜けて 夏来ぬを告ぐ白南風(しらはえ)の音

0604-0107
新緑は山肌を下り山麓の 新緑に迫る真夏の大山だいせん

0587-0106 真澄短歌会 
天空を見事に映せし水張田は 田植え済ませて青田となりぬ

0574-0106 真澄短歌会 
島影を出て行く船に目を遣れば 海原越えて碧空に消ゆ
0005-3004 朝日新聞東海歌壇 

横たわるトマトを縦に立て直し 赤くなるまで後二週間

0418-3103
朝影にはるかに見ればひと里は あかね雲背に影絵のごとし
0364-03101
朝まだきあかねに染まる東の空 刻々と迫る色消えゆくとき

0362-3101
茜さす空はばら色遠き景色 障子に映る影絵のごとし
0360-3103
朝まだき茜に染まる東の空 刻々と色淡くなりにけり

 

 

 

 

310 短歌集なごみ753 <四季 春> 春

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品 16首

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品
310 <四季 春 /  Der Fruehling von den Vierjafhreszeiten>

0798-0201 蒼原 060321
雪の下透けて見える蕗のたう 緑浅くも春を呼び込む

0345-3101 060218
そこかしこ春の訪れ雪淡く 透けて見えるは幼きふきのたう
1924-0502

春が来た待ち待ちし春があちこちに 土筆顔出し燥ぐおさな子

1596-0406
若葉萌え白き花咲く山法師 春おとなふを知るは嬉しき
1578-0104
うれしきは泉佐野より送られし タケノコの荷より洩れる春の香


1567-0403 真澄短歌会 出詠

冷たさの少しやわらぐ板の間を 今朝は素足でああ春は近い
1559-0403 三岸節子記念美術館短歌ポスト 掲載
節子いる館を出れば起宿(おこしじゅく) 脇往還(わきおうかん)の美濃路行く春

1325-0308

うぐひすの春告ぐる声聴きたくて 逃してしまふ寄り過ぎる余り


1208-0304
ふきわらびみつばたけのこ送られし 泉佐野より春を匂はせ
1206-0304
春告げる匂ひこぼれる荷が届く 泉佐野よりわらびたけのこ


1089-0212
初春のふきのたうにも綿帽子 雪払ふ娘(こ)の小指可愛い
0845-0202 真清田神社 献詠
暮れなずむ春の晩鐘音はるか やさしきひびき耳に届きぬ


0547-0105
雨上がり空気澄み渡り迫り来る 山の姿に驚く刹那


0436-0103
淡雪に透きて見えたる蕗の薹色 幼くも春を告げいつつ
0435-0102
ふきのたう緑幼く顔出して 春はそこまで心なごみぬ


0000-0502
如月のきのふもけふも見えぬ春 雪に埋もれしふきのとう掘る
0000-XXXX
ふきのたう寒さに耐えて咲くを待つ 緑浅くも春を知らしむ

309 短歌集なごみ753 <水・水面> 水

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品


 短歌集なごみ753 ブログ短歌作品
309 <
水、水面 / Wasser und Wasserflaeche>

1729-0408 蒼原 
灯籠の明かり水面の波に揺れ 戻る光りの淡きやさしさ

0908-0204

灯籠の放つ明かりのやさしさに 水面応えて淡く煌めく
0523-0105 朝日新聞東海歌壇 
落日になびく水面はあかね色 けふの終わりを明日につなぐ

0008-0109

暗闇の水面を照らす月影の 青き光りに引き寄せられぬ
0001-2911 朝日新聞東海歌壇 
暗闇の水面に浮かぶ灯籠の 放つ光りに時も忘れる



308 短歌集なごみ753 <月影・星影> 

308 短歌集なごみ753 ブログ短歌作品

                 キバナコスモス(キク科)

短歌集なごみ753 ブログ短歌作品

308 <月影・星影 / Das Mond- und Sternlicht> 

1650-0406
月影に触れてかがよふ草の露 揺れる葉先に身をまかせつつ
1587-0404 真清田神社観月祭 
月影の射し込む部屋に床敷きぬ 今宵の眠り月も枕に


1533-0402
満天の星のかがよふ冬の空 星ひとつ捥ぎ取り帰りたい
1425-0312
隙間より部屋覗く月まなかひに 去り行くまでを見つつ横たふ


1191-0304
お月様食べたいけれど食べられぬ 今宵満月たまごの黄味
1115-1301

ぽっかりと広がる樹々の狭間より 満天の星こぼれんばかり

0993-0208
安らぎと侘しさ混じる月明かり部屋に たゆたふ虚(うつ)ろな気分
0805-0201
月さやか並の背分けて櫂の舟 湖(うみ)に出で行く夜の静寂(しじま)


0713-0110
月さやか姿変わらぬ美しさ いにしへの月もかくありけむや
0268-3101 朝日新聞東海歌壇 
幻想の世界に誘う月明かり 水面は青く光りきらきら

099X-0208
秋の夜の部屋に射し込む月明かり 月もひととき今宵の宿に
0008-3011 
暗闇の水面を照らす月明かり 青き光に引き寄せられぬ